「最近、物忘れがひどくて…」とお悩みのレイコさんと彼氏のジュンさんが
ある日こんな会話をしていました。
ジュン:「この曲って高校時代に流行ってたよな?なんていう曲だっけ?」
レイコ:「知ってる!えっと、ほら、あれ何だっけ?英語の曲名だよね
あれなんだっけ?」
ジュン:「あれあれじゃ、わかんないよ・・・」
レイコ:「あぁ~喉まで出かかってるんだけど、出てこないよぉ~!」
このように、思い出せそうで思い出せないことを
「TOT現象(喉まで出かかる現象)」といいます。
「喉まで出かかっている」という表現どおり
これは完全に記憶がなくなっているわけではなく
“思い出す”という機能が上手く働いていないために起こるんですね。
では、その“思い出す”とは、
そもそもどういうことなんでしょうか?
これには、
記憶のプロセスが大きく関わっているんですね。
人の記憶のプロセスは、
下記の3段階に分けることができます。
記憶をつくる | 符号化(記銘) | 情報を意味に変換して記憶として取り込む |
記憶をしまう | 貯蔵(保持) | 符号化した記憶をストックしておく |
記憶を取り出す | 検索(再生) | ストックされている記憶を外に出す |
もしあなたが、
喉まで出かかっているのに思い出せないという状況があるなら
記憶の過程の3ステップ目の“検索”が上手くいってないのかもしれません。
つまり喉まで出かかっていることとは、
記憶の貯蔵庫には入ってはいるが、
上手に貯蔵庫を“検索”できないということなんですね。
では、その“検索”を成功させるには
どうしたらいいんでしょう?
それは・・・
“検索”する時に“手がかり”を使うのがよい
と言われています。
“手がかり”とは、
思い出そうとしていることを記憶として“符号化”した時に
一緒に存在していた情報のことです。
その“手かがり”を使って“検索”し
記憶を復元する方法を2つご紹介しましょう。
物理的復元 | 場所・部屋・家具や色などの環境的な手がかりを用いて復元する |
心的復元 | 想像やイメージ化等の心的操作によって復元する |
では、これを文頭の会話に出てきた
“思い出せない曲”に当てはめてみましょう。
■物理的復元の場合
高校時代、学校帰りにその曲をよく聴いていたお店を
“手がかり”としてみる。
例えば、高校時代からあまり変わっていない
そのお店に行ってみるなど。
■心的復元の場合
高校時代に、その曲を聴いた時の自分の気持ちを
“手がかり”としてみる。
例えば、その曲を聴くと、なぜかワクワクして
がんばろうという気持ちを思い出したり
友達といっしょに聴いていた時の楽しい気持ちを
思い出したりするなど。
いかがですか?
なんだか喉につかえていたものが
出てきそうな感じがしませんか?
このように「喉まで出かかっているのに出てこない・・・」ような時は、
“手がかり”から、記憶を思い起こしてみてはどうでしょうか。
最近はインターネットで何でも調べられるので、
インターネットで調べる人も多いかもしれません。
でも、時間があるときは、いろいろな“手がかり”から
記憶を“検索”することをオススメします。
なぜなら便利な文明の利器に頼り過ぎると
ますます「喉まで出かかっているけど出てこない・・・」 なんてことが多くなって
「あれ、あれ」「それ、それ」ばっかりの会話になってしまっては
もっと大変ですから。
もしあなたが、
喉まで出かかっていることを思い出せない・・・
なんて時があったらぜひ試してみてくださいね。
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