あなたが持っているのは「勝ち」「負け」目標ですか?それとも「自己ベスト」目標ですか?
では以下の質問に答えて、どちらの目標を設定するタイプなのかをチェックしてみましょう。
■質問■
あなたが、水泳のオリンピック選手だとします。オリンピック開催地へ出発するとき記者達に囲まれて「今回の目標は?」と聞かれたら何と答えますか?
(A)「もちろん、金メダル以外考えられません!」
(B)「楽しく泳げたらいいかなって思っています!」
(C)「自己ベストを確実に1秒は縮めたいです!」
さて、あなたはどれを選びましたか?
A・Bを選んだあなたは … 「自我目標」を持って取り組むタイプのようです。
C選んだあなたは … 「課題目標」を持って取り組むタイプのようです。
このように、何か物事を達成しようとする目標には、大きく分けて上記の2タイプがあるといわれていて、これを「目標理論」といいます。
また達成目標の2つのタイプは、個人の特性と状況によって選ぶ目標が異なり、それぞれの目標タイプを選ぶ個人の特徴を心理学の世界では、以下のように説明されています。
<1>自我目標
能力を重視し、他者よりもすぐれていることを誇示したり、高い評価を得たりすることに向かう目標。
自分の能力 | 固定的で変化しないものと考える。 |
関心 | 他者との比較における自分の位置に向いている。 自分の能力は十分か?不十分か?が気になる。 また他者の努力など外的基準が気になる。 |
行動パターン | 能力に自信がある場合は、積極的に取り組む。 でも、自信がない場合は低い目標を設定し達成への取り組みを避ける。 あるいは逆に極めて難しい目標を設定し、失敗しても自分の能力不足ではなく、チャレンジした目標が困難すぎたのだと能力不足を隠そうとする。 |
<2>課題目標
練習や努力を重視し、スキルを向上したり、新しいスキルをマスターしたりすることに向かう目標。
自分の能力 | 変化するもの、向上させられるものと考える。 |
関心 | スキルの進歩、新しいスキルの学習に向いている。 練習方法や進捗などの遂行に直接関わる情報に集中する。 |
行動パターン | 自分の能力やスキルを最大限に高めることができる最適な挑戦レベルを選択する。 自分が努力したことや進歩したことで自信を高めようとする。 |
このように2つのタイプのうち「課題目標」をもつ人の方が、自分の能力をより高められ、目標設定が有効かつ適切だといわれています。
確かに、オリンピックに出場している選手は、誰でも金メダルがほしいものです。自分には、金メダルを取れる能力がある!と強く信じている場合は「金メダルがほしい」という「自我目標」をかかげることで、モチベーションを高く維持することができるんですね。
しかし、自分の能力に自信がない場合に「自我目標」をかかげると競争相手の選手の情報を知るたびにプレッシャーを感じたり、もし金メダルを取れなかったら…と考えるだけで自信を失ってしまい練習に集中できなくなるんじゃないでしょうか。
そんなときは「自己ベストを目指します!」という「課題目標」に切り替えて自分の練習方法や進歩に集中してみる。そうすれば、周囲の雑音に惑わされることなく前向きにトレーニングを続けることができるんではないでしょうか。
このようなことは、スポーツの世界だけでなく、仕事・学校などで何かを達成しようとするとき「勝ち」「負け」という結果はつきもんです。そんなときって、どうしても「自我目標」が設定されやすい状況にあるんだと思います。
でも自分の能力に自信もないのに「自我目標」ばかりを意識していたら結果的に目標達成に失敗する経験ばかりが増えて挑戦することを諦めてしまうようなネガティブな気持ちへと追いやることになってしまいます。
であれば、自分の能力がどの程度のレベルなのかわからないうちは「課題目標」を意識して自己ベストを更新していきましょう。その成功体験が、あなたの自信ややる気を維持し、次の挑戦へと力強く後押ししてくれるんです。
そして自己ベストを続けていけば、きっと「金メダル」も夢じゃないかもしれませんよ。
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