あなたは、コミュニケーションギャップに困ったことはないですか?
「相手が言いたいことがわからない」
「早合点して誤解してしまう」
「なかなか話がかみ合わない」
など、なかなか意思疎通ができずにイライラしたという経験はありませんか。では、こうしたコミュニケーションギャップは、どうして生まれるんでしょうか?
人が経験したことの全てを表現できることは稀(まれ)です。話したり書いたりして表現されることの多くは、その一部分にすぎません。
日常のコミュニケーションでは、その一部分をヒントにして相手の経験した世界を理解しているんですね。
しかし、話の内容が情報不足の場合が多く話していくうちに「あれ?“その人”って、○○ちゃんじゃなくて、○○ちゃんのことだったんだ」とか「みんなって、学校のみんなじゃなくてクラスのみんなのことか」とか、いろいろな誤解が生まれているかもしれません。
そんな誤解が最終的に解けるときはいいんですが、不運にも誤解が解けなかったら… これが、コミュニケーションギャップになるんです。
人が書いたり話したりして表現していることは経験している人のフィルターを通して表現されているために一部分が削除されてしまったり、解釈が歪曲してしまったり、過去の同じような経験と結びつけて極端な解釈をしたりして、その経験が完全に表現されず、結果的にギャップが生まれてしまうんですね。
そこで、そのギャップを埋めるために、その言葉の奥にある相手が経験した世界を探っていきましょう。以下の3つのチェックポイントに注意しながら適切な質問を投げかけるとより相手の世界を探ることができるようになります。
【ポイントその1】 指示指標 … 主語がはっきりしない
主語は、とても大切です。“誰が” または ”何が” そうなのか、しっかり抑えておきましょう。
■ 主語がない場合 ~夫婦の会話編~
妻:「私、もう疲れたわ!」
そんな妻に夫は…
コミュニケーションが苦手な夫:「いつも疲れたって言ってるな~君は!」
コミュニケーションが上手な夫:「今日は何に対して疲れたの?」
■ 主語が特定できない場合 ~会社の上司と部下の会話編~
部下:「それは無理です!」
そんな部下に上司は…
コミュニケーションが苦手な上司:「明日までにやってくれないと困るんだよ!」
コミュニケーションが上手な上司:「特に、何が無理なんですか?」
■ 主語が非限定的なカテゴリーを指している場合 ~兄妹の会話編~
妹:「男はみんなだらしないわ!」
そんな妹に兄は…
コミュニケーションが苦手な兄:「俺のどこがだらしないんだ!」
コミュニケーションが上手な兄:「どの男がだらしないの?」
【ポイントその2】名詞化… 変化する過程を変化しない出来事に置き換えている
通常変化する状態を表している動詞を変化しない名詞に変えてしまうことがあります。その場合、もう一度変化する状態を表している動詞へと戻して質問してみます。
「進行中の○○」この○○に入れて違和感のない言葉は、変化する状態を表していることになります。例えば、進行中の関係・進行中の責任・進行中の苦痛など。
■ 会社での会話編
Aさん:「今回、俺の戦略が上手くいってないんだ!」
そんなAさんに同僚は…
コミュニケーションが苦手な同僚:「それは大変だ!もっとちゃんと考えた方がいいんじゃないか?」
コミュニケーションが上手な同僚:「君が進めている戦略が、いつからどのように上手くいかないんだい?」
【ポイントその3】 非限定動詞 … 動詞の具体的な意味がわからない
同じ「傷つける」でも、心を傷つけられたのか?身体を傷つけられたのか?よくわからないですよね。このように通常動詞とは限定された意味がないので、より詳しく知るために質問してみましょう。
■ お友達同士の会話編
A子ちゃん:「彼はいつも私につらく当たるの」
そんなA子ちゃんに友達は…
コミュニケーションが苦手な友達: 「ひどいわ!そんな男最低よ!」
コミュニケーションが上手な友達: 「どんな風に彼はつらく当たってくるの?」
これらのチェックポイントは、相手の話に集中して聞いていないと中々気がつかないです。やはりコミュニケーションギャップを防ぐためには基本的に相手の話を集中して聴くという姿勢が大切ということなんですね。
でも愚痴を言いたいときなどは、サラリと聞き流してほしいときもあるかもしれません。相手の話の内容にあわせて適時にギャップを埋めていくのがコツですよ。
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