あなたは初対面の人と会うとき、相手とどれくらいの距離であいさつをしますか?また親近感を演出しようと接近しすぎて、相手に一歩後ずさりされたなんて経験はありませんか?もし、そんな経験があるなら、あなたは相手の「テリトリー」を侵してしまったのかもしれません。
私たちは、それぞれ他者に侵入されると不快になる空間というものを持ってるんですが、この空間のことを「パーソナルスペース」と呼んでいます。これは「心理的縄張り」ともいわれ、動物の「縄張り」と同じように自分の縄張りを他者に侵されると強い違和感や不快感が生じるんですね。
通常、パーソナルスペースの形状は前方が広く、後方・左右方向が比較的狭くなったタマゴ型といわれていて大きさには個人差があります。例えば、セミナーで初対面の人が、あいさつをしてくるとしますよね。そのとき、真横30cmの距離から「○○さんですよね。はじめまして」とあいさつされてもビックリはしないと思います。ところが正面30cmの距離から同じようにあいさつされたら、ちょっとビックリしませんか。
これは、真正面のパーソナルスペースの方が広いため、真正面から近づいてきた相手には、パーソナルスペースを深く侵されてしまい違和感をおぼえているからなんですね。また相手によって、パーソナルスペースの大きさは変化します。前述のセミナーでのひと場面で正面30cmまで近いづいてきた相手が初対面の人じゃなく、よく知ってる仲間だったら、なんの違和感もなく「おぉ!~ひさしぶり~♪」と話が盛り上がることになるでしょう。
このように、同じ近さであっても親しい人と初対面の人とでは、感じる不快感は、ずいぶん変わってきます。そこで、パーソナルスペースの段階とその距離について、文化人類学者・ホールが以下のように分類しているので、まずはチェックしてみましょう。
0~45cm 手が届く距離 | ごく親しい間柄に許されるが、他人ではストレスを感じる。 |
45~120cm 手を伸ばして届く距離 | プライベートな関係に許されるが、男女間だと恋人・夫婦以外は違和感が生じる場合も。 |
120~360cm 身体的な接触は不可能な距離 | 仕事上の関係などに適切な距離。改まった話しの席など。 |
360cm以上 1対1のコミュニケーションは困難な距離 | 街中での他人との距離。セミナーなど1対大勢に話をするときに使われる距離。 |
さて、あなたが初対面のときにあいさつをしている距離は、どれくらいでしたか?
とはいえ、初対面はお互い緊張するもの。距離感を上手にコントロールすることも今の時代、マナーのひとつかもしれませんね。逆にいえば、仕事相手であなたのペースに持っていきたい場合などは、あえて真正面から相手の「テリトリー」に侵入していくのも、おもしろいんじゃないでしょうか。
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